ブログ

なにわファンドの「再組成」について いま改めてお伝えしたいこと

2026年10月7日

こんにちは。
なにわファンドの内藤です。

今回は、なにわファンドでもこれまで行ってきた「再組成」について、改めてお伝えしたいと思います。

最近、不動産クラウドファンディングの償還遅延や運用期間の延長などについて、情報を目にする機会もあります。

そのため、「再組成」と聞くと、少し不安に感じられる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

以前、なにわファンドの投資家さまからも、

「再組成時にファンド総額を縮小するのは、不動産の評価額を下げるという意味ですか?」

というご質問をいただきました。

確かに、「再組成」という言葉だけでは、その背景や目的は分かりにくいものですよね。

そこで今回は、なにわファンドが再組成をどのように考え、これまでどのような方針で運営してきたのか、できるだけ分かりやすくお伝えしたいと思います。

少し長くなりますが、お付き合いいただけましたら嬉しいです(≧▽≦)♪


🍀この記事でお伝えしたいこと🍀

✅ なにわファンドの再組成は、「売却できなかったための延命措置」を前提としたものではありません。

✅ 「まいどシリーズ」は賃料収益(インカムゲイン)を分配原資として運用しています。

✅ 再組成時にファンド規模を縮小してきたのは、不動産価格の下落を意味するものではありません。

✅ 今後も法改正を踏まえ、適切な価格検証と分かりやすい情報開示に努めてまいります。

なお、先に結論をお伝えすると、なにわファンドでは再組成を「予定していた売却ができなかった場合の延長措置」とは考えていません。

対象不動産を中長期で保有しながら、投資家さまには一定期間ごとに継続投資をご検討いただくための選択肢の一つとして位置付けています。

その考え方について、順番にご説明いたします。


■そもそも「再組成」とは?

再組成とは、同じ対象不動産について、新たなファンドを組成し、運用を継続する場合などに使われる言葉です。

再組成といっても、その方法や目的は一つではありません。

例えば、既存ファンドの運用終了に合わせて後継ファンドを組成し、その資金を活用して対象不動産を引き継ぐ方法があります。

一方、事業者がいったん対象不動産を買い戻し、既存ファンドの償還・清算を行ったうえで、新たなファンドを組成する方法もあります。

そのため、「再組成」という言葉だけで、そのファンドの状況を判断することはできません。

大切なのは、

・なぜ再組成するのか
・既存ファンドの償還原資は何なのか
・対象不動産の価格をどのように確認したのか
・新しいファンドをどのような条件で組成するのか

といった中身を見ることだと考えています。


■ファンドによって、収益の仕組みも異なります

再組成を考えるうえで、まず知っていただきたいのが、ファンドの収益の仕組みです。

不動産クラウドファンディングには、大きく分けて次のような収益があります。

🌸対象不動産から得られる賃料収益などを原資とする収益【インカムゲイン】

ただし、入退去に伴う空室や賃料の変動、修繕費の増加などによって、想定どおりの収益が得られない場合があります。

🌸対象不動産の売却益を原資とする収益【キャピタルゲイン】

売却が計画どおりに進めば比較的大きなリターンが期待できる一方、不動産市況や売却時期、売却価格などの影響を受けやすく、収益の振れ幅も大きくなる傾向があります。

また、賃料収益と売却益の双方を分配原資とするファンドもあります。

どの仕組みが良い・悪いということではなく、期待するリターンと、そのために負うリスクの違いを理解することが大切だと思います。

不動産は予定した時期に必ず売却できる資産ではありません。

そのため、運用期間の延長についても、延長したという事実だけでなく、その理由や現在の運用状況、今後の対応を確認することが大切だと考えています。


■なにわファンドは賃料収益を分配原資としています

なにわファンドの「まいどシリーズ」は、賃料収益によるインカムゲインのみを分配原資としています。

売却益を想定利回りに織り込んでいるファンドではありません。

そのため、運用期間内に対象不動産を売却することを、予定分配の前提とはしていません。

当社では、物件によって異なりますが、3年から5年程度の中長期で保有することも視野に入れています。

賃料収益を得ながら、賃貸状況を整え、必要な修繕を行い、より良い条件で売却できる機会があれば売却を検討する、という考え方です。

つまり、なにわファンドにおける再組成は、「予定していた売却ができなかったため、やむを得ず運用を続ける」ということを前提にしたものではありません。

賃貸運用の状況や市場環境などを踏まえ、引き続き保有することに合理性があると判断した場合の選択肢の一つです。

もちろん、賃料収益を中心とする運用であっても、空室や修繕費の増加などによる収益減少、事業者の信用リスク、償還原資の確保に関するリスクがなくなるわけではありません。


■それなら、最初から長期ファンドにしないの?

「中長期で保有する予定なら、最初から3年や5年のファンドにすればいいのでは?」

と思われる方もいらっしゃると思います。

確かに、事業者側から見れば、その方が運用しやすい面もあります。

しかし、不動産特定共同事業の匿名組合型は、預貯金のようにいつでも自由に解約できる商品ではありません。

最初から長期間の運用期間を設定すると、投資家さまが資金を動かしにくい期間も長くなります。

そこで、なにわファンドでは、対象不動産は中長期で保有することを想定しながら、ファンドの運用期間は1年や2年などに区切り、運用終了時に改めて継続投資をご検討いただける形を採ってきました。

不動産そのものを保有したい期間と、投資家さまにご出資いただく期間を必ずしも同じにしていない。

これが、なにわファンドにおける再組成の考え方の一つです。

また、初めて取得する物件については、1年から2年程度の運用期間とすることが多くあります。

取得前に賃貸借契約や修繕履歴などを確認していても、実際に所有・管理して初めて分かることがあります。

入退去の状況や修繕費、実際の収益性などを確認したうえで、再組成時には運用期間や想定分配率、出資構成などを改めて検討しています。


■「短い運用期間=安心」とは限りません

最近の状況を考えると、できるだけ運用期間の短いファンドを選びたいというお気持ちもよく分かります。

特に、不動産特定共同事業では、対象不動産のリスクだけでなく、事業者の信用リスクも重要です。

ただし、運用期間が短いことと、安全性が高いことは必ずしも同じではありません。

例えば、3年から5年程度の保有を想定した不動産を、半年や1年のファンドで繰り返し組成すると、その都度、償還資金の確保や新たな募集が必要になります。

不動産は、必要なときに必ず現金化できる資産ではありません。

そのため、運用期間を短くしすぎることが、かえって事業者の資金管理に負担をかける場合もあります。

大切なのは、対象不動産の保有方針と、投資家の皆さまからお預かりする資金の運用期間を、無理のない形で組み合わせることだと考えています。

こうした考えから、なにわファンドでは、長期運用を基本としながら、1年ごとに解除希望を受け付ける仕組みについて、変更約款の認可を取得しています。

対象ファンドでは、所定の受付期間に解除希望をお申し出いただける仕組みとし、あらかじめ定めた返還上限額の範囲内で、当社の劣後出資により返還資金を確保する設計としています。

ただし、希望額の全額返還を無条件に保証するものではありません。

不動産の中長期運用と、投資家さまが一定期間ごとに見直す機会を持てること。その両立を目指して考えた仕組みです。

この仕組みを取り入れた「まいど17号」は、不動産クラウドファンディング・オブ・ザ・イヤー2025で「書面契約型特別賞」をいただきました。

【関連記事】

変更約款(解除希望受付期間条項)申請の経緯

【関連記事】
「不動産クラウドファンディング・オブ・ザ・イヤー2025『書面契約型特別賞』を受賞いたしました!」


■なぜ、これまで再組成のたびにファンド規模を縮小してきたのか

なにわファンドでは、これまで再組成の際に、ファンド規模を1割から2割程度縮小する方法を採ってきました。

これは、対象不動産の評価額が毎回1割、2割下落したと判断していたからではありません。

主な理由は二つあります。

一つ目は、将来の外部売却を見据えた対応です。

なにわファンドが取り扱う不動産には、築年数が経過した建物や、権利関係などに個別性があり、売却までに時間を要する可能性のある物件もあります。

当社では優先劣後構造を採用しており、売却等によって損失が生じた場合には、契約で定めた範囲内で、まず当社の劣後出資が損失を負担します。

そのため、将来の外部売却時に、少なくとも優先出資元本を回収できる可能性を高めるため、優先出資額を段階的に減らすことを目的としてファンド規模を縮小してきました。

例えば、優先出資募集額が初回8,000万円、次回7,000万円、その次は6,000万円となれば、将来の売却時に回収する必要のある優先出資元本も少なくなります。

特に、当社の経営状況が悪化するなど、想定外の事情によって売却が必要となった場合にも、優先出資者の皆さまへの影響をできる限り抑えられるよう、将来の「出口」を意識してきました。

また、なにわファンドでは原則として金融機関からの借入を行わず、担保付き借入の返済が売却代金から優先されるリスクも考慮しています。

二つ目は、当社自身の資金管理です。

なにわファンドでは、前ファンドの運用終了時に、当社が対象不動産をいったん自己資金で買い戻し、その売却代金を原資として償還・清算を行います。

その後、運用条件を見直し、新たなファンドを組成しています。

前ファンドの償還は、後継ファンドの募集成立を前提としたものではありません。

そのため、運用満了時までに必要な買戻し資金を準備しており、優先出資額を段階的に減らすことは、当社の将来の資金負担の軽減にもつながります。

もちろん、ファンド規模を縮小し、優先劣後構造を採用していても、元本が保証されるわけではありません。

それでも、万一の事態まで想定し、優先出資者の皆さまの元本毀損をできる限り抑えられるよう、将来の「出口」に備えておくこと。

これが、なにわファンドが再組成において大切にしてきた考え方です。

【関連記事】
「元本保証がないからこそ大切にしたいこと。なにわファンドが『身の丈』にこだわる理由」


■価格の妥当性を確認するために

なにわファンドでは、これまでもファンド組成時に不動産鑑定士による鑑定評価書を取得してきました。

その理由は、取得時だけでなく、将来の出口も見据えて、対象不動産の価格が妥当かどうかを確認するためです。

特に、築年数が経過した建物や既存不適格の建物、借地権付き不動産などは、周辺の取引事例だけで価格を判断することが難しい場合もあります。

だからこそ、事業者自身の判断だけに頼らず、不動産鑑定士による評価を客観的な判断材料の一つとして活用してきました。

ただし、鑑定評価額は、その価格で将来必ず売却できることを保証するものではありません。

市場環境や金利、建物の状態、賃貸状況などによって、実際の売却価格は変わります。

それでも、「なぜこの価格で取得するのか」「将来どのような売却が考えられるのか」を確認しておくことは、大切だと考えています。


■法改正を踏まえた、今後の再組成について

ここで、再組成にも関係する法改正について少し触れたいと思います。

今回の改正を簡単に言えば、

「利害関係者との不動産取引について、これまで以上に客観的な価格確認と情報開示が求められるようになった」

というものです。

2026年8月21日、不動産特定共同事業法施行規則が改正され、不動産の取引価格や情報開示に関する規律が強化されました。

今回の改正では、事業者が利害関係人へ対象不動産を売却する場合などについて、原則として、利害関係のない不動産鑑定士による鑑定評価額に相当する額で取引するための措置を講じることが求められています。

再組成に伴い、事業者が対象不動産を買い戻す場合などにも関係する重要な改正です。

なにわファンドでは、これまでも対象不動産の価値や収益性、将来の売却可能性などを確認したうえで、再組成時の条件を検討してきました。

その中で、将来の外部売却や当社自身の資金負担を考慮し、ファンド規模を1割から2割程度縮小する方法を採ってきました。

今後、再組成時にファンド規模の縮小を検討するにあたっては、不動産の適切な取引価格を確保したうえで、当社の劣後出資割合を高め、投資家さまから募集する優先出資額を抑える方法なども選択肢の一つとして考えています。

劣後出資は、損失が生じた場合、契約で定めた範囲において優先出資より先に損失を負担する仕組みです。

もちろん、劣後出資があるからといって、投資家さまの元本が保証されるわけではありません。

今後も対象不動産の価値や賃貸状況、建物の状態、市場環境、将来の売却可能性、当社自身の資金負担などを総合的に確認し、それぞれの物件に応じた条件を検討してまいります。

そして、

「なぜこの価格なのか」

「なぜこのファンド規模なのか」

「なぜこの優先・劣後の割合なのか」

こうした判断の背景についても、できるだけ分かりやすくお伝えしていきたいと思っています。


■最後に、大切にしたいこと

不動産クラウドファンディングには、「この仕組みだから良い、悪い」といった唯一の正解があるわけではないと考えています。

事業者の規模も、取り扱う不動産も、収益の仕組みもさまざまです。

大切なのは、想定利回りだけでなく、その収益を得るためにどのようなリスクを負うのかを理解し、ご自身の考え方に合った商品を選ぶことだと思います。

なにわファンドでは、ファンドを組成する際、取得時の収益性だけでなく、将来の償還を見据えた「出口」も大切にしてきました。

再組成についても、これまでの方法にとらわれず、その時点の不動産価値や運用状況、当社の資金負担などを踏まえて検討してまいります。

元本保証のない商品だからこそ、良い面だけでなく、リスクや判断の背景も丁寧にお伝えすること。

そして、投資家の皆さまご自身に、納得してご判断いただけるよう努めること。

背伸びをせず「身の丈」を大切にしながら、一つひとつの物件と向き合い、投資家の皆さまにご説明できる運営を続けていきたいと考えています。

これからも、一つひとつのファンドと誠実に向き合い、「顔の見える運営」を続けてまいります。

引き続き、皆さまのご期待にお応えできるよう、適正かつ誠実な運営に努めてまいりますので、ご高配を賜りますようお願い申し上げます。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

今後とも「なにわファンド」をどうぞよろしくお願いいたします。

🍀あわせてお読みいただきたい記事🍀